02.12/25記事

【コラム:健康食品、摂取時の精神状態で効力に差・・】
「Health Net Media/ヘルスネットメディア」代表 浜野夏企
既存の医療体制の中で、CAMをどのように共存させていくかを模索

'02/12月21・22日の2日間、東京女子医科大弥生記念講堂で日本代替・相補・伝統医療連合会議(JACT)による「第6回JACT大会2002」が開催されました。数日後、同大会を企画された川嶋朗先生(東京女子医科大学腎臓病総合医療センター)を訪ね、大会の感想やら今後のCAM(相補・代替医療)行方などについてインタビューをしてきました。

CAM(Complymentary and Medicineの略)というのは「ヘルスネットメディア」で何度も出てきますので、ご存知の方も多いかと思いますが、オルタナティブ・メディスン(もう一つの医療)、代替医療といわれるもので、いわゆる西洋医療サイドからみた、西洋医療以外の医療のことです。中国の漢方やインドのアーユルベーダ、それから鍼灸にカイロプラクティックにアロマテラピーに気功、心理療法や栄養療法、さらに音楽療法や運動療法とありとあらゆる療法がそれに該当します。ただし、CAMというのは、あくまでも、「西洋医療サイドからみた」呼称であり、中国やインドの主流医療からみれば、西洋医療こそがCAMになるというわけです。

現時点では、正当派西洋医療が最高の医療システムであるということで、これが主軸となって医療体制が構築されていますが、近年、医学界の世界的な潮流をみますと、どうも西洋医療だけでは病気を治癒できないということが判然としつつあり、さまざまなCAMを取り入れるべく医療の統合化、統合医療体制の構築化へと向かいつつあるようです。

西洋医療の場合、プラセボ(暗示作用)のような精神が生体に働きかける作用といったあいまいな部分は削ぎ落とし、あくまでも物質が生体にどのように働きかけるのか、万人に対し再現性・客観性がみられるのか、といったところを統計学的に絞込み、最終的な到達点としてきました。

西洋医療は日本に根を下ろして100年といわれますが、精神面を少しないがしろにしてきたところがあり、どうも病人が一向に減らない、そればかりか現在の医療システムだと国民医療費がどんどん高騰していくばかりで、国家財政の破綻に繋がる恐れがあるという状況に至り、このままでいいのかといった反省から、肉体偏重の西洋医療システムからの方向転換を迫られるようになったというわけです。

そうしたことから、米国でも国民がCAMに関心を持つようになり、医療関係者もCAMに目を向ける者が増えていったという状況です。遅れて日本でもこうした傾向がみられつつありますが、徐々に医療関係者らが、既存の医療体制の中で、どのようなCAMを、どのような形で共存させていくべきかを模索しはじめています。

心の作用で、健康食品を効率的に活用する

「ヘルスネットメディア」ではCAMの中でも、とくに日々の生活に密着し、手軽で、最も利用者の多い「栄養療法」を取り上げているわけですが、とりわけ、どのようなCAMとそれとの組み合わせが最も効果を発揮するかという点に関心をもっています。
例えば、前述のプラセボですが、これはCAMでいうところの心理療法であり、癒しに向かわせるために必要な療法といえます。統合医療というのはこうしたものも見過ごさず、積極的に活用して病人を快方に向かわせようという大局的なものの見方をします。

それで、川嶋先生とのインタビューの中で、既存の西洋医療の現場で、今後どのようなCAMを共存させていく形になるかという点について話をしたところ、健康食品を用いた「栄養療法」については、現実に患者さんたちの多くが手軽に利用していることもあり、この部分はどうしても避けて通ることができないという話になりました。

もちろん製品の良否や薬品との相互作用の検証など、クリアーしていかなければならない問題はたくさんありますが、仮に製品が良質なものであったとして、CAM的にはどのような用い方がいいのかということになり、プラセボの話におよびました。例えば、白衣を着た医者がそれを渡した場合の効き目と、一般の人が手渡した場合とでは、効力に違いがあるのではないかということです(*ただし、こうした心理を逆手にとっての霊感商法や医師免許のない方の処方は薬事法に問われることになります)。

現実に、プラセボで有意に作用したという報告もありますが、つまるところ、それを利用する患者サイドの精神状態の問題なのです。医師でなくとも、自身で効果があると強烈に思えば、プラセボが働くわけで、効果があがることが推測されます。逆に、「こんなものは効くか効かないかわからない」といった半信半疑の心理状態で服用した場合は、思ったような効果は得られないということも考えられます。

このあたりは、患者さんにメリットのあることであれば、臨床できちんとしたデータをとりたいものですね、という話になったのですが(*現在、川嶋先生がこうしたことを医療現場で行っているというわけではなく、あくまでもこちらからの提案です)、病気の回復の際によくいわれる「自然治癒力」というパワーは、まぎれもなく精神作用がプラスに働く際に発動するもの、まず自身へのプラセボをポジティブな状態にしているところから発生するものであると考えられます。

やはり、健康でいるためには、あるいは病気の回復ということについては、心を強く持ち、プラス思考でいることが大切であるといえそうです。
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