イオン化カルシウム

一時的に血中カルシウム値が急上昇

現在市販されているカルシウム剤の多くがイオン化しているため、服用後にダウン症状を起こし、骨塩量(骨になるカルシウム)も増えないといわれています。ダウン症状というのは、医薬品全般にみられる反応で、純度が高いイオン化カルシウムの場合、服用すると、2〜4時間以内に、一時的に血中カルシウム値が急上昇し、その後急激に血中カルシウム値が下降し、およそ8時間後に正常値に戻る、といった現象が起きます。

ところで、人体の約0.25%がカルシウムで、その99%が骨に蓄えられ、血中のカルシウム濃度に応じて吸収と放出が行われます。残り1%のほとんどは血液中に存在し、微量ながら細胞内にも存在します。つまり骨にカルシウムが1億個あるとすると、 血液に1万個、細胞に1個という割合になります。

イオン化カルシウム剤を服用後、1-2時間後に血中のカルシウムが異常増加し、”骨=1億個、血液=1万個、細胞=1個”という体内におけるカルシウムの絶妙なバランスを急変させることになります。これにより、人体にさまざまな悪影響を起こし、万病の元になるとされています(ただし、病気でカルシウムを必要とする緊急時にはイオン化カルシウムが必要です。問題は日常的に摂るカルシウムです。イオン化の状態だと、カルシウムのベストバランスが崩れてしまいます)。

結果的にカルシウム不足に

具体的に、イオン化カルシウムでどのようなことが起きるかというと、


  1. イオン化カルシウムを服用すると、急激に血中のカルシウムが増える。
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  2. 骨からカルシウムを遊離させて血液中に溶出させる副甲状腺ホルモンの分泌が停止する。
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  3. 細胞内にカルシウムを入れるという副甲状腺ホルモンのもう一つの働きにより、免疫細胞内やホルモン分泌内にカルシウムが入り、それらの作用を鈍らせる。
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  4. 一方、血液中のカルシウムが増加しているため、腎臓はこれらを減らそうとして急激な排泄を始める。
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  5. そのため、血液中のカルシウムが急減して、カルシウム不足を引き起こす。


こうした生体のメカニズムが働くわけですが、血液中のカルシウムが不足すると今度は副甲状腺ホルモンが働き、骨のカルシウムを遊離させて血液中に溶出しようとします。こうして、骨のカルシウムはどんどん減少していき、骨塩量も結果的には増えないというわけです。

(参照「警告!カルシウム不足」 発行:駿台曜曜社)

--「Health Net Media/ヘルスネットメディア」編集部--
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