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納豆が時代を救う〜“自分の健康は自分で責任を持つ”時代

7月1日(木)、赤坂プリンスホテル(東京都千代田区)で、全納連(全国納豆協同組合連合会)主催の「『納豆の日』記念 納豆クィーン表彰式」が開催された。 当日は食文化研究家として知られる永山久夫氏が長生きと納豆との関係など納豆の効用について講演した。また、今回第2代納豆クィーンには女優の上戸彩さんと佐藤藍子さんが選ばれ、受賞の喜びや納豆への思い入れなどを語った。

これからは健康預金の時代、納豆で元金を増やす

永山氏は、「納豆の魅力--納豆が時代を救う」と題した講演で、出生率が低下の一途を辿り、加えて高齢化へと向かう中、「自分の健康に自分で責任を持つ時代になってきた。

これからは健康預金の時代、残高の多い人ほど健康状態がいい」と述べ、健康預金の元金は和食であり、中でも納豆は最も素晴らしい食品であると指摘した。納豆の効用については、脳溢血や脳梗塞の原因である血栓や骨粗しょう症への予防効果を挙げ、「長生きする時代は、脳と骨が大事。納豆のネバネバの糸は血栓を溶かす力が強い。

また、日本人はカルシウムを必要量摂っていないが、諸外国に比べて骨粗しょう症状が少ない」と、納豆に多く含まれるナットウキナーゼ酵素やビタミンK2の働きについて述べた。

ビタミンK2については、納豆研究の第一人者として知られる須見洋行教授(倉敷芸術科学大学生命科学部生命科学科)が最新の研究で、「納豆中に含まれるビタミンKは、メナキノンー7と高分子量のタンパク質が結合した“水溶性ビタミンK”として存在する。
納豆を摂取すると極めて長時間にわたり、血中のビタミンK濃度が高まり、ポリグルタミン酸のカルシウム吸収促進効果と相まって理想的な骨粗しょう症予防になりうる」と報告している。

さらに最近、納豆の成分で注目されているのがポリアミン。欧米人に比べて日本人に動脈硬化が少ないのはポリアミンが関与しているともみられている。ポリアミンとはアミン(NH2:塩基性物質)を多く含む低分子有機化合物の総称で、今から330年ほど前に発見されている。ポリアミンはアミノ酸の一種であるアルギニンから、ヒトや全ての動物の細胞内で合成され、成長期にはたくさん生成されるが、加齢に伴ない、ポリアミンを合成する酵素の活性が低下する。そのため、食品での補給が望ましいとされる。

ポリアミンを多く含むものとしては、大豆、キノコ類などがあるが、中でも、納豆、醤油、味噌などの発酵食品には、微生物が産生したポリアミンが高濃度に含まれるといわれる。


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