奇形児誕生の可能性で、適正量めぐり議論
ビタミンAは人の成長に欠かせない栄養素で、目や免疫システムの健康を維持す
るが、過剰に摂ると有害になることが知られている。例えば、1日25000〜50000
IUか、それ以上を長期間摂取すると、関節の痛み、吐き気、食欲不振などを起
こすとされる。
また、妊娠中の女性の過剰摂取は警告が発せられており、1日
10,000IU以上摂取した場合、奇形児が誕生する可能性があるなど、これまでに適正量を
めぐる論議が重ねられてきた。
とはいえ、一方でビタミンAは健康な皮膚や髪の毛、骨の成長に欠かせない有益なビタミンであることも立証されている。
ビタミンAの有用性は、すでに1950年代頃より着目されているが、1970年代に入って米国ジョンズホプキンス大学のソマー博士らのグループが低開発国の乳幼児にビタミンAを与え、死亡率が3分の1に減少したと報告し、注目を浴びた。
しかしながら、その後、1日3,000μgRE(10,000IU)以上の摂取で奇形児生誕の可能性が示唆、また肝細胞の壊死を促進するなどの有害作用があるとされ、妊婦は1日、7,500μgRE(25,000IU)以上の摂取は避けるよう専門家が勧告。米国では多くの企業が1980年代後半より3,000μgRE(10,000IU)/カプセルで製品化するよう自主規制を行ってきた。
また、97年7月には、National Institute of Child Health and Human Developmentのジェームス・ミルス研究者らが、神経管障害児を出産した548人の妊婦など、1、500人あまりを対象に産後1-5ケ月に電話アンケートを行い、妊娠中のビタミンA摂取を1日2,000-3,000μgRE(8,000−10,000IU)にすると胎児に発生する障害が低下するとの報告を行った。
ビタミンA値、高すぎても低すぎても
骨折の危険性増大
ビタミンAの適正量については、胎児の健康に影響するとあって、これまで慎重な検証が積み重ねられてきた。
ちなみに、日本では平成12年度から16年度までの5年間使用する日本人の栄養所要量、「第6次改定 日本人の栄養所要量」で、ビタミンAの許容上限摂取量が設定されているが、それによると男女とも6〜11歳までが1,200μgRE(4,000IU)、11歳〜70歳以上が1,500μgRE(5,000IU)となっている。