菓子類の油脂摂取が多く、魚介類から摂取少ない
妊娠適齢期の女性が適正摂取を心がける必要があるとされる二つの栄養成分---。
豆類や酵母に多い葉酸(ビタミンB群)、そして、魚に多く含まれる必須脂肪酸のω-3系脂肪酸だ。
葉酸は胎児の発育や神経管障害に関わる栄養素であることから、米国では、1998年1月1日に食品・医薬品局(FDA)が、パン類や小麦粉、パスタなど全ての穀類製品に葉酸を添加・強化するよう通達。米政府も、葉酸の認知度アップのために広報活動に力を注いできた。
もう一つ、サケ、マグロ、ニシン、タラ、サバなど寒冷海域の魚に多く含まれる必須脂肪酸のω-3系脂肪酸(DHAやEPAなど)。魚は、カルシウムやビタミンDといった骨形成に必要な成分ばかりでなく、胎児の認識力や視覚機能の発達に影響をおよぼすω-3系脂肪酸を多く含む。
ω-3系脂肪酸が知力を高め、脳機能の健全化に貢献するという研究報告は数多い。脳細胞の発達などにおいて、胎児から生後18週くらいまでの期間にω-3系脂肪酸が必要とされ、胎児の間は母体から、生後も母乳を通して補給される。そのため、WHO(世界保健機構)で人工栄養ミルクへのDHA添加を検討してきたという経緯がある。
英国ケンタッキー大学研究者グループの報告によると、母乳で育つ子供は人工栄養ミルクの子供と比べIQが3〜5ポイント高いという。
当日、川端氏は、「女性の健康意識と食生活--次世代の健康な日本を担う」と題して講演。「魚介類に多く含まれるω−3系脂肪酸は乳幼児の脳や網膜の発達に必須である」とし、妊娠適齢期女性にω−3系脂肪酸もたらす作用について報告。これまで、DHAは植物油に含まれるα−リノレン酸からEPAを経由して体内で作られるとされてきたが、「最近の研究では、α−リノレン酸からEPA、特にDHAへの代謝がそれほど期待できるものではない」と指摘し、魚の摂食の必要性を説いた。
また、昨年、女子大生(18〜21歳)30名を対象に行った4週間の食生活の調査結果について報告。対象者全員に期間中の食事をデジタルカメラに撮り、食事内容を検討した。
その結果、平成14年国民栄養調査報告の18〜29才女性の魚介類摂取量67.4g/日と比べると、魚類の摂取量が27.6g/日と低い値を示していることが明らかになった。