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ビタミンをめぐる最近の話題A〜ビタミンE・Cネガティブ報告
米国でビタミンCやE、妊婦に必須といわれる葉酸などの売れ筋ビタミンが次々とメディアの
槍玉にあがっている。メディアはネガティブな結果ばかりを大々的に取り上げ、その
影で数多く発表されているポジティブな結果には目もくれない――と批判する医療
関係者も少なくない。賛否両論飛び交う中、問題視されているサプリメント、ハーブ
の近況を報告する。
権威ある米国医師会誌(JAMA)2005年3月16日号に掲載され物議をかもし
たのがビタミンE。ガンや心血管疾患の予防に効果がないばかりか、心不全の
危険が高まるという報告に、マスコミは「ビタミンEが危ない」と一気に騒ぎ立てた。
これまでビタミンEが心臓病のリスクを低下させるといわれていただけに、大きな
波紋を巻き起こした。
それによると、カナダのマクマスター大学のエバ・ロン博士らは、1993年から99年に
かけ55歳以上の心血管疾患および糖尿病の患者約9,600人を2グループに分け、一方に
ビタミンEを400IU、もう一方にプラセボを毎日服用させた。
その結果、いずれの調査でも、ビタミンEを摂取したグループは、プラセボグループより心不全の
リスクが13%高いことが判明。また、心臓発作やガン罹患のリスクは変わらなかったという。
研究報告では、心血管病または糖尿病の患者においては、ビタミンEサプリメントの長期
摂取にガンおよび心血管病の予防効果はなく、逆に心臓病のリスクを高める危険がある
と結論づけている。
ビタミンEに心不全の危険があると報告されたのはこれがはじめてだ。
それによると、オレゴン州立大学のマレット・トラバー博士らが45歳以上の健康な女性
約4万人を対象に1992年から2004年にかけ調査を実施。2万人ずつの2グループに分け、
一方のグループにビタミンE600IU、もう一方のグループにプラセボをそれぞれ1日
おきに摂取させたところ、プラセボグループに比べ、ビタミンEグループの心臓病
による死亡率が24%少ないことが分かった。65歳以上ではさらにプラセボとの差は大きく、
49%であったという。
こうした報告を受けて、米健康食品業界では、「これまでの研究報告は、病気を抱える高齢者を対象としたもので、統計
的にもなんらかの問題があると指摘されている。消費者の困惑を招いただけ」とネガ
ティブ報道を批判する声も挙がっている。
ビタミンC、腎臓結石や関節炎リュウマチのリスク
また、Eと同様の人気を誇るビタミンCについても、各メディアがネガティブ報告を一斉に
報道している。
また、「ビタミンCの大量摂取は関節炎リュウマチを悪化させる危険がある」とドューク大学医学部の研究員らが動物実験
で警告。推奨摂取量の男性1日90mg、女性75mgを超えて摂取すべきでないと結論づけた。
他にも、American Journal of Clinical Newtrition誌2004年8月号に掲載され
た研究報告では、「U型糖尿病のある閉経後の女性がビタミンCを摂取すると脳卒中やアテ
ローム性動脈硬化症で死亡する危険が高くなる」と指摘している。
一方、最近のビタミンCの有用性報告についてはどうか。
また、American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine'05/5月号で
は、動物実験(サル)で、ビタミンC投与が、母親の喫煙による胎児への悪影響を相殺するという研究
報告を掲載している。
葉酸とビタミンBのコンビネーション、心臓発作のリスク
米国で妊婦に必須の栄養素であるとして研究が盛んに行われている葉酸(ビタミンB群)に話を移すと、
European Society of Cardiology学会での発表で、葉酸やビタミンB群
の心臓病予防への有効性に疑問符が投げかけられた。
米国では、葉酸が胎児の発育や神経管障害に関わる栄養素である
ため、国をあげて妊娠適齢期女性に摂取を奨励してきた経緯がある。
1998年1月1日には、米食品医薬品局(FDA)が、パン類、小麦粉、パスタなど全て
の穀類製品に葉酸を添加・強化するよう関連業界に通達している。
そうした努力が実り、胎児の発育に関わる障害が減少している
という報告も最近出ている。
Pediatrics'05/9月号に掲載された記事によると、米疾病予防センター(CDC)
およびアラバマ大学の研究者グループが、葉酸の食品への添加が義務付けられる
ことになった前の年の1995年から2002年まで、21州の出生児を調べたところ、
二分脊椎症の発生が目立って減少していることがわかったという。
また、アルツハイマー病の危険性低下に、葉酸が栄養素の中で最有力であるという報告
もある。
ブラックコホシュの効き目に疑問符、抗ガン治療に影響も
ハーブについてはどうか----。
研究では、対象を2グループにわけ、ひとつにブラックコホシュ、もうひとつのグル
ープにプラセボを4週間にわたり服用させた。結果、両グループで効き目に
差が見られなかったという。
これに対し米国植物評議会(ABC)は猛反論した。研究報告は権威あるメディカル誌掲する
際に必ず必要なピュアレビューが行われておらず信ぴょう性に欠けるほか、4週間と
いう期間もハーブの効き目を研究するには短かすぎるといった問題点を指摘した。
ブラックコホシュの効果に関するほかの研究は、いずれも3ヶ月から6ヶ月の期間で
クロスオーバーによる二重盲検法を採用しているという。
「これまでに正式に発表されたブラックコホ
シュの臨床実験の大半が更年期の症状緩和効果を裏付けている」と専門家は指摘する。
さらに、メイヨ・クリニック報告に追い討ちをかけるように発表され
たのが、乳ガン治療に使われる抗ガン剤に影響を及ぼす可能性があるという研究報告。
ガン研究・治療誌に掲載されたイエール大学医学部のサラ・ロックウェル教授らの
この研究報告は、マウスを使った動物実験。市販のブラックコホシュ抽出液が、放射
線および一般的に乳ガン治療に使われている医薬品の効果に影響を及ぼすかどうかを
調べた。
その結果、医薬品2種類(doxorubicin、 docetaxel)の効果が高まったものの、放射
線と別の1種類(4-HC)の医薬品の効果は変わらず、もう1種類(cisplatin)に関しては
効き目が減少したという。研究報告は、乳ガン患者がほてりなど症状緩和にブラック
コホシュを使う場合、医者にきちんと相談すべきと結論づけている。
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