「食の安全・安心」で、
健康食品の過剰摂取を検証
同シンポは、厚労省の「食品の安全に関する厚生労働科学研究(食品の安心・安全確保推進研究)事業」に基づくもの。平成11年より日本食品衛生協会で毎年開催、今回は「食品と健康」をテーマに、遺伝子組み換え食品、薬剤耐性菌、天然添加物、残留農薬、健康食品などの現況や問題点など科学的研究成果が発表された。
平成13年以降、BSE感染牛や輸入野菜の残留農薬、さらに食品の不正表示などが相次ぎ、
国民の「食の安全・安心」についての信頼が大きく揺らいだ。そうした経緯から、平成15年7月に
食品安全基本法が施行、内閣府に食品安全委員会が設置され、食の安全性・健康影響評価が行われるようになる。
食安委の下に、遺伝子組換え食品など16の専門調査会が設置。健康食品についても、新開発食品専門調査会で安全性の評価が行われている。
現在、コエンザイムQlO及び大豆イソフラボンの高含有健康食品の適正摂取量について検討が行われている。
コエンザイムQlOは本来医薬品として使用されていた成分でもある。また、大豆イソフラボンは、日本人は日頃から味噌などの大豆製品から摂っている。そのため、それぞれ摂り過ぎの弊害が懸念されている。
シンポでは、(独)国立健康・栄養研究所の梅垣氏が「「健康食品」の有用性と危険性」と題して講演し、健康食品は過剰摂取が容易なことから、長期間の大量摂取において問題が生じる可能性について懸念を示した。
日本人の場合、大豆イソフラボンの摂取上限量は30mg/日が理想
大豆イソフラボンについては、更年期障害や乳がん、骨粗しょう症など女性特有の疾患予防に有用であるとされ、米国で大豆ブームが起き、日本でも改めて大豆製品の有用性を認識させられる格好となっている。
これまで欧米、特にアメリカの食生活で大豆はポピュラーではなかったが、乳がんなどアメリカでは死亡原因の上位を占める疾患がアジア諸国で少なく、その要因に大豆製品を多く食べる食生活の違いに研究者が注目したことから、大豆に含まれる成分が脚光を浴びるようになった。
女性は閉経期を過ぎると体内の性ホルモンのエストロゲンの分泌が低下し、更年期障害といわれる症状が生じる。その際、ホルモン治療によりエストロゲンを補給し、症状緩和を図るが、頭痛、吐き気、膣の出血、胸部の衰えなどの副作用が生じることがある。大豆イソフラボンは、エストロゲンに化学構造に似ているため、ホルモン治療に代わるものとして期待されている。
大豆イソフラボンについては、更年期障害以外にも、コレステロール低下や骨粗しょう症、子宮がんのリスク低下など女性特有の疾病に有効に作用するという研究報告もある。