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快癒イメージが疾患改善の大きなカギに
精神神経免疫学の先駆者、C.サイモントン博士が講演

平成19年4月2日、セントマーガレット病院でC.サイモントン博士を迎え、講演会「がんのメカニズム・心と身体のケア」が開催された。C.サイモントン博士は30数年前、治癒イメージが疾患改善に大きく影響することを提唱、精神神経免疫学の先駆けとして世界的に知られている。

米国では大手保険会社が保険対象プログラムとして認可

米国では90年代に入って、代替医療(非西洋医療)が国民の間で関心を集め、中でも「祈りの療法」が多くの国民に利用されている。米国民の95%が神を信じる(ギャロップ世論調査)ということもあり、心の作用によるヒーリング(癒し)効果を信じる人々が多い。

米国立衛生研究所(NIH)などの政府機関も祈りによる治療効果を裏付ける研究に乗り出しているが、デューク大学医学部(ノースカロライナ州)が1986年から1992年にかけ、65歳以上の男女4000人を対象に祈りの効果を調べたところ、祈っているグループの死亡率は祈らないグループより46%低く、祈っている高齢者は、健康で長生きしていることが判った、という報告もある。

こうした社会背景もあり、近年米国では「心と疾患の連関性」が大きくクローズアップ、医療現場でもボディ&マインドの両面から疾患を攻略しなければ効果がないという考えが体勢を占めるようになってきている。

C・サイモントン博士は、精神作用が疾患にもたらす影響について科学的にアプローチを試みた医師として世界的に知られる。現在、そのカウンセリングプログラムはサイモントン療法として確立し、米国の大手保険会社が保険対象プログラムとして認可。ドイツでもバベリアン癌協会ががん治療に有効なプログラムとして正式に承認している。

博士が、イメージ療法の研究に邁進するきっかけになったのは29歳の時、1971年のこと。当時、放射線科医で、61歳の男性患者を診る。患者は脳に進行した癌を患い、食べ物は全く喉を通らず、自身の唾を飲むのもやっという状態であったという。

博士にとって第1号となるこの患者に、イメージ法を試みる。「放射線治療を受けている時、放射線がより効果的に作用している。あなたをどんどん健康にしていくというイメージをしながら治療に取り組んでくださいと指導した」。その治療が癌をどんどん癒し、癌を変質させ、排除していくことを常にイメージするよう指示したという。

博士は、このトレーニングを6週間続ける予定だったが、患者はどんどん良くなり、治療を始めてから1週間で固形物が食べられるようになり、4週間後には癌を発見することは出来なかったという。さらに、患者に高レベルの放射線治療を行なっていたにもかかわらず放射線の副作用も一切なかったという。

こうした経験から、「私は迷いなく、この分野に進んでいくことを決心した。心と身体の相関関係について理解を深めていこうと決断した。それから36年が経つが、ようやく表面をなぞるぐらいの理解ではないかと感じている」とサイモントン博士。

サイモントン療法のカウンセリングでは、以下のことが核となっている。
・患者にとって、何が悪いかに目を向けるのではなく、何が良いかに目を向けること。
・カウンセリングは患者に希望を提供し、元気付けるものであること。
・想像力(イメージカ)の効果的な取り入れ方を教え、ヒーリングプロセスの核とすること。
・罪悪感、敗北感、自責の念等の感情的ストレスを効果的に解消すること。

サイモントン療法のプログラムは現在までに、アメリカ、ドイツ、スイスなどで利用されており、日本でも1999年よりプログラムが提供されている。

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