糖尿病、メタボリック症候群(Met.S)へと疾患の連鎖
糖尿病は、網膜症や腎症、壊疽、神経症、狭心症、脳血管障害、皮膚や歯の病気、各種感染などの合併症を招くといわれている。加えて、今回の調査で、アルツハイマー症、がん、心筋梗塞、脳梗塞の発症リスクも高まることが分かった。糖尿病から始まる、疾患の連鎖である。
ここ数年、マスメディアで頻繁に取り上げられているメタボリック症候群(Met.S)。内臓脂肪型肥満に、高血糖、高脂血症や高血圧のうち2つ以上を伴う状態を指すが、これらリスクファクター(危険因子)の重複で、動脈硬化が高頻度で生じ、心筋梗塞や脳梗塞の発症へと繋がる危険性が高い。リスクファクターが軽症でも3、4つ重なると、心筋梗塞の発症リスクは10倍以上になるといわれている。
運動不足や代謝異常により内臓脂肪型肥満や高血糖を伴う糖尿病はMet.Sと表裏一体である。Met.Sから動脈硬化、心筋梗塞や脳梗塞の発症へと連なる関係は、糖尿病からはじまる諸病への疾患のそれと同一のものと言っていい。Met.S対策といえば、減量に血糖コントロール。いわば糖尿病予防対策でもある。糖尿病は諸病の誘因であり、現代人はこれを改善することにまず取り組むことが必要だ。
運動で糖代謝をコントロール、発症リスクを
低下
では糖尿病を予防・改善するカギは---。
糖尿病には、T型(インスリン依存)とU型(インスリン非依存)がある。U型は、日本人の糖尿病の95%を占め、栄養の偏り、運動不足、ストレスなどが原因で、血糖の代謝異常からインスリンの分泌および作用低下を招き発症する。現在、いわゆる日頃の不摂生が招いたU型糖尿病、予備群も含め、1300万人以上といわれる人口の増加が危惧されている。
糖尿病は生活習慣病と呼ばれていることから、生活習慣(運動、食生活)を正すことが先決だ。では、「運動」での、糖尿病予防・改善効果はどうか。
ハーバード大の研究チームが、40〜65才までの女性70,102人を対象とした心臓病と癌の調査データ(Nurses' Health Study )を1986年から8年間を分析した結果、1日1時間または少なくとも30分、足早に歩く運動をすればU型糖尿病のリスクが減少すると発表している(Journal of the American Medical Association誌'99)。
それによると、調査当初健康体であった対象者のうち、1,419人が調査期間中に糖尿病と診断されたが、運動量が多い人ほど糖尿病のリスクが少なく、運動時間でみると週21.7時間以上の女性は週2時間の女性と比べ、リスクが46%も少ないことが判ったという。運動時間を増やせばそれだけ糖尿病のリスクも減少するという。
未精製穀類、血糖値の調整やインシュリン
生成に貢献
「食」についてはどうか。
飽食と言われる現代。カロリー過多で運動不足は、肥満を招き糖尿病へとつながる。