活性酸素とブドウ糖(糖化)のコントロールで長寿かなう
4月1日より、40歳以上を対象に健康診断が義務化される。超高齢化社会を迎え、生活習慣病対策、とくにメタボリック症候群(Met.S)の対策が急務とされている。Met.Sとは、内臓脂肪型肥満に、高血糖、高脂血症や高血圧の2つ以上が伴う状態を指す。これらリスクファクター(危険因子)の重複により、動脈硬化が高頻度で生じ、心筋梗塞や脳梗塞の発症へと繋がる危険性が高くなる。リスクファクターが軽症でも3、4つ重なると、心筋梗塞の発症リスクは10倍以上になるといわれる。
Met.Sは生活習慣(食生活など)により生じるため、改善にはそうしたものの是正が必至。遠藤氏は、「生活習慣に関わる病気というのは、結局、食べ物のようなマイルドだがジワジワ効く慢性なステップでないと治り得ない思う」と述べた。
また、「生活習慣病には慢性の炎症が非常に重要な役割をしている」とし、「最近わかってきたことは、私たちの体には慢性の炎症性の経過が隠れて存在する。活性酸素、つまり自分の身体によかれと思っている好中球、あるいは炎症細胞が結局は自分自身を痛めている」と指摘。また、「身体の細胞はブドウ糖でしか生きていけないが、ブドウ糖自身が悪いということも判ってきた。糖化(クリケーション)といって、ブドウ糖によって身体中のたんぱく質や脂肪酸が壊されていく」と述べた。
生活習慣病の根底には慢性の炎症が存在し、活性酸素とブドウ糖による糖化がそれを引き起こしているという。
「結局はこの二つによって我々の寿命は規定されている。酸素もブドウ糖も必要だが、必要悪でもある。それによって寿命が決まる。この二つを何とかすれば我々は100歳くらいの寿命を全うできるのではないか」と遠藤氏。
慢性の炎症は老化にも関わる。「動脈硬化も炎症。慢性炎症を抑えることで老化防止、アンチエイジングになる」。
がんはDNA破壊により生じる
がんについてはどうか---。
「がんは基本的にはDNAの破壊現象。それがつみ重なり遺伝子が異常になってがんになる。ほとんどが20年以上という長い潜伏期で、階段を上るようにがんになる。この潜伏期を限りなく長くすればがんを予防できる」。それが基本的な戦略という。
がんを引き起こす要因としては、喫煙やストレスを挙げる。「加齢とともにがんが増えるというのはまやかし。がんを起こさせる一番の要因はタールで、極めて活性酸素だらけの物質、発がん物質です。それから過剰なストレスもまずい」。
また、「ウイルスや細菌ががんを起こすという証明はない。ウイルス、細菌感染が慢性炎症を起こさせる細胞達、つまり好中球、マクロファージ系達が活性酸素を出す。活性酸素は相手側を全部やっつけるが、同時に自身の身体も壊す。このことがわかったのが最近。炎症は私たちの体のために白血球達がしてくれるものと思ったら大間違い。外来性の悪いものをやっつけるが、同時に自分の細胞達も壊す」。活性酸素は生体にとって守りと攻撃、いわば両刃の剣というわけだ。
活性酸素の積み重なる攻撃が自身の寿命を決める
遠藤氏は次のように言う。「活性酸素の攻撃が積み重なって自分自身の寿命を決めている。引き金を引くもの(イニシエーション)と促すもの(プロモーション)があってがんが起きるというのが15,6年前の2段階説だった。最近では分子生物学、とくに細胞科学的なレベルで、全てDNAがステップバイステップで壊れて起きているということが判ってきた。イニシエーション、プロモーションの前に何が起こっているかがポイントになるわけです」。
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