”若い人達の血液が劣化している
感染症から若年痴呆まで懸念される疾病の若年化"


医療法人社団緑風会 鈴木医院
院長 鈴木 秀夫 氏

近年、食の欧米化の影響から、日本の若者達に、糖尿病や動脈硬化、痴呆症といった疾病の若年化が進んでいるといわれる。血液の性状を分析し、統合医療による疾病の予防・治療を提唱する鈴木医院の鈴木秀夫院長に日頃からのケアについてうかがった。

編集部 :糖尿病や動脈硬化症といった生活習慣病が低年齢化しているといわれますが。

よく噛むことが大事。噛むことは肥満防止につながる

鈴木:アメリカで、ハンバーガーを1ケ月間食べ続けたところ、体重が増え、肝臓が大きくなり、脂肪肝になり、コレステロールも中性脂肪も上がって、という映画があります。今の日本の若い人達もそうした食生活で、若い女性達にしても、甘い物や軽いもので済ましたりで、血液がすごく弱くなっています。

赤血球というのは酸素を運ぶ働きをします。
一方で活性酸素を消去する力も強いのですが、その辺のところがダメになってきています。

それから、今の若い人達は食べ物をあまり噛まなくなってきていますが、よく噛むことが大切です。アメリカではフレッチャリズムといって有名です。 僕は50回、100回噛むことを薦めています。噛むことは三叉神経を通して、満腹中枢を刺激します。それによって体重が減っていきます。内臓脂肪は血栓を作ったり、インシュリンの感受性を悪くしたりとか、いろいろ悪さをします。

急性心筋梗塞、感染症が一因に

インシュリンについては、はっきりしないことも多いのですが、細胞を増殖させる作用があることがいわれています。その一つの効果として血管壁が厚くなります。また、がんを誘発させることもいわれています。

それから、ジュースに入っている果糖はインシュリンと同じ様に悪さをします。インシュリンは糖が入ってきた時に、筋肉の中に糖を運び入れるという働きをします。果糖は、ネズミに与えて実験すると、グルコースに比べ、果糖を与えたもののほうがはるかに動脈硬化が進んでしまいます。


    ブラッドフォード末梢血液評価で血液の性状を分析

編集部 :若い人達の免疫力の低下もいわれていますね。

鈴木:例えば今まで何でもなかったのに急に心筋梗塞が起きたりということがありますが、コレステロールが溜まって石灰化して血管が固くなってというのではなくて、最近は、感染症がその原因であるともいわれています。事実関係がはっきりしてきているのがクラミジア肺炎菌です。
防衛機能であるマクロファージという白血球がクラミジアを食べて、それが血管に行き、炎症が起きます。また、血管壁内にもクラミジア肺炎菌の存在が証明されています。

ですから細菌感染には気をつけなければいけません。ヘリコバクターピロリ菌も胃がんに関係していますし、結腸がんも細菌が関係しているといわれています。

白血球(顆粒球)の放出する活性酸素により細菌は死にますが、その周囲の正常細胞も死にます。そして細胞は再生しますが、それを続けているうちに(慢性感染)、癌化の遺伝子にスイッチが入ってしまいます。ですから感染に強い体内環境を作る必要があります。

また、今の若い人達は精神的な鍛錬が足りないといわれていますが、ストレスにより自律神経のアンバランスで交感神経が緊張すると、白血球の仲間である顆粒球が活性化し、上記の様な状態が生じます。

編集部 :痴呆症についても若年化が懸念されていますね。脳機能の健全化ということについては、どのようなことに気をつけるべきですか。

水銀が脳に溜まり、脳機能が麻痺する

鈴木:一つには重金属の問題がいわれています。水銀や砒素、カドニウムや鉛といった重金属に対処していくことが大切です。

身体の発電所である細胞内のTCAサイクルをしっかり回さなければいけませんが、そのためには、ビタミンやミネラルや酸素を十分摂る必要があります。

また、初老期の痴呆症は、とくに水銀がからんでいるのではないかといわれています。水銀は脳神経系に蓄積しやすいです。セレニウムが少ない食事ですと、水銀中毒になりやすいです。そういったものから身を守る物としては、ニンニクなどがいいといわれています。
発汗も一つの方法ですが、水銀は身体の重要な臓器に入り込んでいて、とくに脳に入ったものは発汗では中々取れません。

それから、老人の場合、便秘をするとすぐボケます。便秘というのはそれだけ身体に負担がかかります。ですから絶対、便秘させてはいけません。腸内に良い細菌を増やさないといけません。繊維食品を摂って、腸内を良い環境にすることが大切です。

編集部 :病気の治療にあたっては、統合医療でいろいろなリスク因子をみていかないとダメですね。

鈴木:病気だけをみるのではなく、なぜ、そのような症状が生じたのか、患者さんの背景にあるもの、食事や環境、家族構成、職場のポジションといったことを聞いてから治療にあたらないといけないと思います。それをやらないで、こういう症状が出たら、この薬でということで終わってしまってはダメだと思います。

編集部 :具体的にどのような治療を行っていますか。

鈴木:酸素カプセル療法というものをやっています。細胞が正常に機能するためには栄養素が必要で、それには酸素が重要な役割を果たします。エアエナジーという鼻からエネルギーを持った空気を吸う、いわゆる吸うサプリメントですね。そうしたものも用いています。

それから、抗酸化療法で、ビタミンやミネラルを使って、L-シスステインとか細胞内のグルタチオンを増やすようなことをやっています。エネルギーレベルを上げるためには、NADHという、還元力の強いサプリメントも使います。パーキンソンや慢性疲労症候群にも良いです。
また、今は感染症のことがいわれていますが、白血球をコントロールしなければいけませんから、制御系T細胞を賦活させるもので、ワイルドローズを使っています。

日頃からの患者さんへのケアとしてはガーリックを、1日1、2個は食べるように言っています。また腸内細菌も良くする必要がありますから、玄米や玄麦をエサにして育った乳酸菌と酵母、いわゆる和風ヨーグルトを薦めています。


      高気圧酸素システムによる酸素療法

◆プロフィール 鈴木 秀夫(すずき ひでお)

<略歴>
昭和29年、千葉県に生まれる。昭和53年、日本大学医学部卒業。第二内科学教室に入局、循環器内科、特に不整脈を研究。平成元年、千葉県で鈴木医院を開業。 血液の性状を分析し、鍼灸、漢方等の東洋医療や食事療法など自然治癒力を高める統合医療にて治療にあたる。

<医療法人社団緑風会・鈴木医院>
千葉県山武郡山武町埴谷1233
 TEL:0475-89-1002