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代替医療で医療関係者にも人気のハーブ、12種公表

米国では代替医療にハーブを用いる医療関係者が増えている。ハーブに関して、「正確な情報が不足している」と警告する向きもあるが、一説では、3分の1以上の医療関係者が何らかのハーブを用いているともいわれる。Archives of Family Medicine11/12月号では、University of Washington Health Sciences Center研究者グループがまとめた人気ハーブ12種類の概要を掲載している。一部を紹介する。


抗炎症作用のカモミール、免疫高めるエキナセア

カモミール:抗炎症、傷治療作用を持つ。FDAも「皮膚の鎮静に使われる家庭常備品」と認めている。

エキナセア:単独で使用あるいは免疫システム促進として他のハーブと併用される。「エキナセアの治療効果についての立証は不完全だが、感染や傷の治療に信頼できるもの」と指摘されている。

ナツシロギク:偏頭痛を防止するといわれるが、幾分胃のむかつきといった副作用もみられる。「長期使用に関しては安全性を裏付けるデータに乏しい」との指摘あり。

ガーリック:殺菌作用がある。コレステロール低下作用が指摘されるが、それを裏付ける研究はまだ少ない。「立証できないとしても、安全でかつ安価なハーブとして愛用されるのは当然」。

鬱病にセントジョンズ・ワート、前立腺肥大にノコギリ・パルメット 

また日本でも馴染みの生姜や朝鮮人参についても効果が立証され、ポピュラーに用いられている。以下、効果と一方で懸念される作用について。

生姜:多くの研究で吐き気の緩和作用が指摘されている。安全で安価なハーブ。

朝鮮人参:全部ではないが、数件の研究で持久力をつける作用が指摘された。だが、研究者は「安全性や有効性が完全に立証されるまで、妊婦や子供の使用は薦めない」と述べている。また、刺激剤であるため心臓病患者やその他の刺激剤を使用している人は使用を避けるべきとしている。

ヒドラスチス:活性成分、ベルベリンが下痢症状を緩和。だが研究者は「毒性も持つので安易な使用は避けるべき」と警告している。

オオアザミ:肝臓障害に作用するとの指摘があるが、研究報告は不充分。

セントジョンズ・ワート:1996年、臨床研究23件の分析がまとめられ、セントジョンズ・ワートは安全かつ効果的に軽い鬱病を治療すると結論付けられた。だが研究者は「妊婦の使用やその他の精神系医薬品との併用は避けるべき」と警告している。

ノコギリ・パルメット:良性前立腺肥大の症状を緩和すると臨床研究で指摘されている。研究者は「軽い頭痛や胃腸の不快感といった副作用が見られる」と述べている。

カノコソウ:ドイツでは、鎮静剤あるいは睡眠剤としての使用が認められている。研究者は「妊婦の使用やほかの鎮静剤との併用は避けるべき」と忠告。

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