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米・栄養補助食品教育法(DSHEA)見直しの動き

1994年に米国で「栄養補助食品教育法案(DSHEA)」と呼ばれる、健康補助食品に関する画期的な法案が成立した。この法案を追い風にビタミン・ハーブをはじめとする米国の自然健康食品市場は以後2ケタ台の伸長を遂げ、活況を呈する。しかしながら、法案施行3年目にして、政府関係筋で法案見直しの動きが浮上している。日本の健康食品業界でも栄養行政の一つの到達点として評価されたDSHEA法。今後の行方が注目される。

6月末めどにラベルの記載条項の規制強化

DSHEA法成立の背景には、「年々膨張する医療費を抑えたい」という米政府筋の強い意向があった。このことは法案序文にも記されている。こうした事情により、米政府は従来健康補助食品と呼ばれているカテゴリーに対し、健康に寄与するという科学的論拠が明確にされれば、ラベルに効果を記載してもかまわない、とした。

米健康産業界では、こうした政府の計らいを、諸手を挙げて歓迎した。ラベルへの効果表示のみならず、雑誌の記事などに書かれている情報を販売の際に使用できるなど、従来の規制が大幅に緩和され、市場拡大が予測されたからだ。

確かに、以後、米国の健康補助食品市場は2ケタ台の伸び率を示し、現在年間で65億ドルにまで膨れあがった。しかし、一方で、エフェドラによる死亡事故など、特にハーブ使用の際に健康障害が頻発し、規制の再検討が迫られるという事態も生じた。

先頃USA Todayで報じられた記事内容によると、政府筋でDSHEA法見直しの動きが出ているという。以下の項目が挙がっている。

  1. 政府の特別委員会は6月末をめどに、製品ラベルの記載条項の規制を強化する方向。
  2. 現在議論を巻き起こしているエフェドラに対して、これまでにない規模でハーバード、バンダビルト両大学がエフェドラの効能、安全性に結論を出すための研究調査に着手する。
  3. FDAは今月、エフェドラ製品に対し、警告ラベルを添付する提案と1日の摂取量を規定する勧告を行った。
  4. National Institutes of Health'sはハーブの医療効果を調べる臨床研究を委託した。この研究は腸がんと朝鮮人参の関連や中国ハーブのHIVへの作用を調べるというもの。

ドイツのハーブ規制に見習うべきとの声も

エフェドラ問題などが発端となり、DSHEA法の改正を望む声が最近増えたという経緯があるが、USA Todayでは、米国の研究者らは、「必要なのはより緻密な研究と消費者に親切なラベルの付け方」と指摘しているとし、そのために、ドイツの方針を見習うよう進言している、と報じている。

ドイツでは、ハーブ製品は薬局で販売されているもの、医師の処方によるものがあるが、それらは調合基準に従って造られており、ラベルにはその使用目的、1回の服用量、可能性のある副作用などの情報が全て記載されているという。とはいえ、米国でこうした調合基準を取り入れようとするなら、今後多くのハーブの試験が求められることとなり、膨大な予算を計上する必要が予測される、とも報じられている。

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