65歳以上の高齢者、人口10万人当たり90人以上の割合で罹患
高齢化社会の到来で懸念されているのが、アルツハイマー病や前立腺がんの罹患者の増加。
とくに日本では90年代から前立腺がんが増加傾向にあり、2020年には現在男性のがん罹患率トップである肺がんに次ぎ第2位になることが予測されている。
講演で、伊藤氏は「50歳を過ぎると前立腺がんが急に増える。早期発見のために前立腺がん検診が必要だが、日本は欧米から10年遅れている」と述べ、現状だと今後日本で前立腺がんが3倍に増えると指摘した。
前立腺は男性特有の臓器で、膀胱下方にあり、精子の一部が作られる。
前立腺がんは食の欧米化や加齢が原因とされ、65歳以上からの高齢者では人口10万人当たり90人以上の割合で罹患している(厚労省データ)。前立腺がんは自覚症状がないため、検診による早期発見が必要といわれる。
ちなみに、米国では男性のがん罹患率のトップの前立腺がんが減少傾向にあるが、これには1980年代後半から実施しているPSA検診という採血検査が功を奏しているという。また、カナダでも1990年前後からPSA検診を実施し、死亡率が低下しているという。
PSA(Prostate Specific Antigen:前立腺特異抗原)検診とは、少量の採血で血中のPSA濃度を調べるもので、前立腺がんの罹患状況が判断できる。
「食生活は日本型の食事のほうが欧米型の食事よりも良いといわれている。食生活だけみると日本のほうが優位。日本のほうが前立腺がんの患者が増えない、死亡が増えないということになる」が、にもかかわらず「前立腺がんの患者が増加しているのは、PSA検診の普及率の差」と伊藤氏は指摘する。