米国・代替医療への道 1997

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米国代替医療の現状<色彩>療法

  色から出るバイブレーションが精神活動に影響

虹の7色が静かな関心を呼んでいる。雑誌などでカラーセラピーのことがポツポツと話題になったり、健康食品店に足を運べば、レッド、イエロー、グリーンの目を覚めるような色のついた液体入りボトルが並ぶ。カラーバスと呼ばれる入浴剤。自分の状態に合わせ、色を選んで湯びねに注ぎ込む。そのままでも、別の色をブレンドしてもいい。芳香療法(アロマテラピー)と併用したりして、ストレス解消やエネルギー回復にいいと評判だ。

カラーセラピーは、文字どおり色を使った療法。白色光のスペクトル、虹の七色は、異なったレベルのバイブレーションを発しているという。暖かい色になればなるほど、バイブレーションが速まり、冷たい色になればなるほどスローダウンする。たとえば、「レッド」は気分をアクティブそして情熱的に、そして極端なところまで行き着くと反抗的にする傾向性がある。反対に「ブルー」は、気分を落ち着け思慮深く、行き過ぎると心寒くなる。

販売促進のために色が活用されている

「人間に与える色の影響」について最近行われた研究で、先天的な視覚障害者でも、色から出る異なるバイブレーションを指先で感じるとることで色を学ぶことができる、と報告されている。この色のバイブレーションが人間に与える影響を利用したのが、カラーセラピーである。エネルギーのバランスを整えるほか、精神状態を落ち着ける、体力を増進する、健康を回復するなど、精神および身体に対する役割はさまざま。特に、憂うつ症、ME(myalgic encephalomyelitis)、ストレス、就学困難に広く利用されているという。また、アメリカの心理学者、マックス・ラスチャー医師が考案した、色の好みをもとにしたパーソナリティー・テストは、仕事を選択する際によく使われている。

同じくアメリカの心理学者らの発見だが、牢ごくの中の壁をある種のピンク色に塗ると、囚人たちは静かになり、規則に従うようになるという。子宮の中の色と同じだからだと考えられている。心理学者はもちろんのこと、インテリアデコレーターや塗料製造会社もカラーセラピーに関心を寄せている。なぜ、大手ハンバーガーチェーンのマクドナルドやジャック・イン・ザボックス、バーガーキングなどのファーストフードチェーン店が、軒並み看板などにレッドとイエローを使っているのか?レッドもイエローも、食欲を刺激する色だからだ。看板や店の色が、食欲をかりたて売れ行きアップにつながる。

洋服、コップなどで色の持つエネルギーを取り込む

アロマセラピーが女性のランジェリーショップで販売促進のために使われているように、カラーセラピーも健康面だけでなくいろいろな形で利用されている。色付きの照明を使ったり、先にあげた色付きのお風呂に入ったり、必要な色の洋服を着るなど利用法もさまざま。また、色のセロハン紙でコップをくるみその中に水を入れて飲めば、色の持つエネルギーが体内に取り込まれるという。身体および精神の状態によって必要とされる色は次の通り。(小冊子「カラーエネルギー」より)

  1. レッド――疲労倦怠、風邪またはひきはじめ、血行不良、貧血症、自信喪失、エネルギーレベルが低い時など。逆に、怒ったり、感情が高ぶっていたり、伝染性の傷がある時、心臓に問題のある場合はレッドを使わないように。
  2. オレンジ――慢性の湿疹、食欲不振、労働意欲がわかない時、喘息、アレルギー、気分をリフレッシュしたい時など。
  3. イエロー――緊張、疲労、憂うつ、欲求不満、消化不良など。
  4. グリーン――頭痛、慢性的な疾患のある時、消化に問題のある時、重要なミーティングなどの前に気分を落ち着ける必要のある時など。
  5. ブルー――気分を静めたい、のどに疾患のある、眠れない、ショックを受けた、熱がある、などの時のほか、生理不順など。
  6. インジゴ(藍)――眠れない、気分が落着かない、聴覚に問題がある、肌に問題がある、などの場合。
  7. バイオレット――感情的に問題がある、状況の整理をしたい、創造力を伸ばしたい、精神的な価値を強化したい、などの場合。逆に、憂うつな気分の時の利用は避けること。